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今冬の電力需給のひっ迫に向けた見通しと対策-ilc.gr.jp

今冬の電力需給のひっ迫に向けた見通しと対策


経済産業省資源エネルギー庁は、2022年5月27日に開催された、総合資源エネルギー調査会の「電力・ガス基本政策小委員会」において、「2022年度の電力需給見通しと対策について」を公表しました。

第50回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 電力・ガス基本政策小委員会 外部サイトへ経済産業省
2022年度の電力需給見通しと対策について[PDF] 外部サイトへ資源エネルギー庁

2022年度夏季の電力需給見通し

上記資料によれば、2022年度夏季の電力需給見通しは、10年に1度の厳しい暑さを想定した場合にも、全エリアで安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できる見通しとなっています。

しかしながら、2022年7月は、東北から中部エリアで3.1%と非常に厳しい見通しであり、2017年度以降で最も厳しい見通しとなっています。

2022年度夏季の電力需給見通し

今夏の気候見通しは、日本気象協会 (2022年05月24日)によれば、広い範囲で平均気温は平年並みか高い見通しです。
九州から関東甲信は7月前半は、まだ曇りや雨の日が多いものの、後半は晴れる日が多くなる予想で、平年に比べ早い梅雨明けとなる可能性もあるということです。

2022年度冬季の電力需給見通し

2022年度冬季の電力需給見通しは、2023年1月、2月に東京から九州エリアで、10年に一度の厳しい寒さを想定した場合に、安定供給に最低限必要な予備率が確保できていない状況となっています。

とりわけ東京エリアでは、安定供給に必要な予備率に対して、約200万kWの供給力が不足している状況です。

2022年度冬季の電力需給見通し

全国7エリアで予備率が3%を下回る現時点での来年2月の見通しは、2012年度以
降で最も厳しいものとなっています。

2月の最大需要発生時の予備率

リアルタイム電力使用状況

電力会社・電力使用状況(電力需給)グラフは、エレクトリカル・ジャパン(Electrical Japan)のサイトで見ることができます。
日本全国各エリアの電力会社(一般送配電事業者)がでんき予報で提供する最新の電力使用状況(電力需要)を基に、「電力使用量 / 供給力(電力使用率)」を示します。電力の単位はMW(メガワット)、使用率の単位はパーセント(小数点以下切捨て)です。
リアルタイム供給力基準(青)は1時間ごとの供給力想定値を基準とした使用率、ピーク時供給力基準(赤)は1日で最大の供給力想定値を基準とした使用率を計算します。

電力会社・電力使用状況(電力需給)グラフ

電力需給グラフの青線が示すように、時間帯によって供給力想定値は変動するため、リアルタイム(青)の方がピーク時(赤)よりも実態に近い数値を示します。
ただしリアルタイム供給力基準で用いる想定値は00分から59分まで一定値のため、供給力が大きく変動する時間帯では想定値が過小/過大となり、一時的に使用率が100%を超えることがあります。
また使用率が瞬間的に100%を超えても、揚水発電所に余力があれば一時的に供給力を増やせますので、直ちに大規模停電が発生するわけではありません。

リアルタイム電力使用状況 外部サイトへエレクトリカル・ジャパン(Electrical Japan)

2022年度の電力需給対策

このような状況に対する、供給対策としては下記のようなものがあげられます。

電源募集(kW公募)の拡充による休止火力の稼働、災害等に備えた予備電源の確保
追加的な燃料調達募集(kWh公募)の拡充による燃料在庫水準の引き上げ
設備保全の徹底による再エネ電源の最大限の稼働の担保
地元の理解を前提に、安全性の確保された原子力の最大限の活用

需要対策としては下記のようなものがあげられます。

需給ひっ迫警報等の国からの節電要請の手法の高度化(多段階化、内容の具体化)
産業界、自治体等における節電要請への対応体制の構築
対価支払型のディマンド・リスポンス(DR)の普及拡大
使用制限令の検討、セーフティネットとしての計画停電の円滑な発動準備

計画停電を避けるためには節電を

今春にも、電力需給がひっ迫したばかりなのは記憶に新しいところです。

計画停電は、あらかじめ定められた区域割りに沿って人為的に停電を起こすものであり、国民生活や経済活動に多大な影響を与えるため、原則実施しないこととされてはいます。

一方で、今後の電力需給ひっ迫においては、節電が不十分であったときに、予測不能な大規模停電が起きる可能性もないわけではありません。
このため、あらかじめ停電区域が明確になる計画停電の準備を進めることにより予見可能性を確保すべきとの議論も行われています。
大規模停電を回避するため最大限の取組を行ってもなお、需給バランスの回復が見込めないときは、最終手段として計画停電を実施する準備は行われています。

蓄電池、水素製造装置の活用

太陽光・風力等の再エネは、天候や時間帯等の影響で発電量が大きく変動するため、大量導入が進むと電力系統の安定性に影響を及ぼす可能性があります。
これを平準化するため、夜間の余剰電力を使用して水を汲み上げる揚水発電も行われています。

系統側蓄電池は、その特性(瞬動性、出力の双方向性等)を活かし、再エネのインバランス回避や調整力の提供等を通じ、再エネ主力電源化にも資する重要な設備です。
また、水電解装置は、再エネの余剰電力を吸収し、水素へ転換することが可能であるとともに、その出力を制御することで調整力の供出も可能な装置です。
これらの導入支援措置のほか、導入拡大に向けた取組が検討されています。

一般家庭などの消費者における対策

電力を使用する事業者、消費者としては、2022年度夏季、そして冬に向けて、電力需給ひっ迫時への備えをしっかりと考え、対策を講じておいた方がよさそうです。

できる限りの節電を心がけるとともに、事業者にあっては自家発電や、大規模蓄電装置などの活用を、また一般家庭などの消費者にあっては小型蓄電池などの活用を考えておくことも有効です。


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