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知財の業務 |2023年10月29日


知的財産は、企業の成長やブランド認知のために重要な無形の財産権です。

自社の技術は特許などの知財として保護し、ブランドやロゴは商標登録での保護をすることが重要です。
知的財産の取得や管理は、大企業では知的財産部が担当します。
中小企業、小規模事業でも積極的に知財を活用して成長している企業も多く、担当者を決めて適切な保護を行うことは有益です。

知的財産の種類

知的財産権にはさまざまな種類があります。

産業財産権(工業所有権)

特許庁に対し登録を行い、独占権を得るのが産業財産権(工業所有権)です。

特許権
新規な技術などを開発したときに、その発明に関する権利を取得するものです。
発明とは、自然法則を利用した新たな技術的思想の創作で、物や物の製造方法などを独占できる権利です。
特許庁に特許出願して登録することで、出願から20年の独占排他的な権利を取得することができます。

実用新案権
発明より簡単な小発明(考案)を保護できる権利です。
物品の形状、構造、組合せに係る考案を早期に登録することができ、出願から10年の権利が得られます。

意匠権
物のデザインを保護する権利です。
工業デザインなどの三次元のデザインを、登録することにより、登録日から25年の権利で保護することができます。

商標権
商標権は、ネーミングやロゴなどの、商品名、ブランド名等の商標に関する権利です。
商標とは、商品や役務を識別するために用いられる文字、図形、色彩などの組み合わせである標章のことで、特許庁に商標出願して登録することで、10年の登録商標権を取得することができます。
商標権は10年ごとに更新登録することも可能です。

著作権

著作権は、文芸、美術、音楽などの著作物に関する権利です。
著作物とは、思想または感情を創作的に表現したものであり、著作権法によって保護されています。
著作権は、出願や登録を必要とせず、創作した時点で自動的に発生します。

不正競争防止法

未登録商標などの著名な商品等表示や、商品形態、技術上の秘密、営業秘密などを保護するための法律です。
登録をする制度ではなく、侵害品が出現した際に訴訟等により解決を図るものです。

知的財産権にはこれ以外にも、半導体の回路配置に関する権利や、植物新品種の育成者権、地理的表示などの制度があります。

知的財産部の業務

知的財産の発掘

自社が保有する技術や、開発中の研究などの中に、権利として保護できるものがないかを調べ、発掘する業務です。
発明者、開発者からの聞き取りや、届け出により、発明などを発掘します。

また自社のブランドを整理して、商標として保護すべきものをリストアップし、使用の管理をすることも大切な仕事です。

これらの業務は、知財の専門家である弁理士と協業して行うことが一般的です。

知的財産の調査・分析

知的財産部や、知財部と連携する弁理士は、自社が保有する知的財産や、他社の知的財産について、調査・分析を行います。
自社が保有する知的財産については、その権利範囲や有効性を確認することで、適切な活用や保護を行うための特許調査、意匠調査、商標調査などを行います。

他社の知的財産については、侵害リスクを把握するとともに、製品等の競合状況を把握することで、自社の事業活動を守るための対策を検討します。

知的財産の取得・管理

知財部では、特許や商標などの知的財産を適切に取得・管理するため、弁理士に依頼するなどして、出願から登録、登録後の管理までを行います。
特許権や商標権、意匠権などの産業財産権は、特許庁に出願し、審査を受けて登録されます。
特許庁への出願手続きの代理は、弁理士が行える業務です。

知的財産の侵害・模倣品対策

知的財産は、独占的な強い権利であるため、模倣品などの権利侵害を発見した際には、通知、警告、訴訟などの適切な対策を行います。
知的財産権は第三者に実施許諾、使用許諾をすることもできるため、ライセンス契約を締結するなどして対応をすることもできます。


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■このページの著者:金原 正道

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