コンピュータウイルス・マルウェア対策 |2022年06月14日
コンピュータウイルスには、感染先のファイルの一部を書き換えて、感染したPCのプログラムが実行されるとウイルス自身をコピーして増殖させる動作を実行する狭義のウイルスがあります。
広い意味でのコンピュータウイルスには、不正で有害な動作をする悪意のあるソフトウェア、コードであるマルウェア (malware) があり、ワーム、トロイの木馬、やランサムウェアなどが知られています。
これらコンピュータウイルスの感染経路としては、メールの添付ファイルを開くことによる感染や、悪意のあるウェブサイト、あるいはハッキングされたウェブサイトを閲覧しただけで感染するもの、さらにUSB
などのメディアを経路として感染するものなどがあります。
コンピュータウイルス、マルウェアの種類
ファイル感染型(狭義のコンピュータウイルス)
「.exe」などの拡張子のアプリケーションファイルに感染し、感染したファイルを実行したときにファイルを上書きするなどして、ウイルス自身を増殖させるタイプです。
また、マイクロソフト社のWordやExcelなどのマクロを利用したコンピュータウイルスもあり、感染したマクロを実行するときにPCがウイルスに感染し、ウイルス増殖のほか、コンピュータのファイル削除などの悪意の動作をするものも確認されています。
ワーム
ウイルス(マルウェア)が独立して実行可能なプログラムであり、単独で増殖、感染する対応です。
PCのファイル削除を行うなど悪意のある動作をしたり、PCからメールを自動送信し、ネットワークを通じて第三者のコンピュータに感染を広げるなどの害が知られています。
トロイの木馬
ウイルスを含むソフトウェアをインストールし実行してしまうことにより感染し、PC内のデータを盗み出したり、データを勝手に削除したり、悪意ある不正な動作を行い、個人情報や秘密情報の流出やスパイウェアとして情報を窃取されるなどの被害が知られています。
データの破壊・盗用などの悪さをした後に、時刻の到来などを契機として自動的にウイルス自身を破壊してしまうプログラムも知られています。
また、PCに侵入して悪さをするマルウェアとして、キーボードで入力した文字列を記録して盗み出し、パスワードや口座情報などを抜き取るするためのキーロガーが知られています。
ボット
PCに侵入し、所有者に気づかれないようにバックで動作し、乗っ取ったPCを利用してネットワークにアクセスし第三者のサーバーを攻撃するといった不正行為を行うボットなどがあります。
ランサムウェア
近年被害が増えているタイプで、PCをロックしたりファイルを開けなくするなどして、金銭を支払えば元通りに使用できるようにすると脅迫する被害が知られているマルウェアです。
この他にも、望まない広告を勝手に出すアドウェアなど、さまざまなコンピュータウイルスやマルウェアが知られています。
コンピュータウイルス、マルウェアの感染を防ぐには
ウイルス対策ソフト(アンチウイルスソフトウェア)、セキュリティソフトをPCにインストールして使うことが一般的であり、アンチウイルス対策なくしてインターネットに接続するなどは無防備すぎます。
インターネットサービスプロバイダ(ISP)や、レンタルサーバー等のメールサーバーにおいて、メールゲートウェイ方式のウイルスチェックサービスが提供される場合もあり、メールの送受信の際にウイルスチェックを行うことは、これでも可能です。
ただし、ウェブサイトを閲覧することにより感染するタイプのマルウェアや、USBなどのメディアを経由して感染することもあります。
このためPCや、社内のネットワークなどにおいて対策を行うことが必要です。
PCでの対策では、ウイルス対策ソフト(アンチウイルスソフトウェア)、セキュリティソフトをPCにインストールして、ファイルを常時監視することにより、不審なファイルや、不審な挙動をチェックし、防御するものです。
また、ネットワークでの監視では、ルーターやファイアウォールなど、通信のゲートウェイ機器において、ウイルス、マルウェアや不正アクセスの検出・遮断対策を行うものです。
最新のウイルス対策・セキュリティソフトの機能
ウイルス対策ソフト(アンチウイルスソフトウェア)は、ウイルスの特徴的な記述部分をパターンとして定義ファイルに保持し、定義されたウイルスのパターンに合致・近似したデータをウイルスとして検出し、ブロックしたり、削除したりする機能を有しています。
また、定期的に、あるいは任意のタイミングでPCをスキャンする機能をもっています。
新種のウイルスを検出するために、ウイルスのパターン定義ファイルは、ダウンロードして最新の状態に保っておく必要があります。
パターンマッチングに加えて、最新のウイルス対策・セキュリティソフトでは、AI判定によるコンピュータウイルス、マルウェアの検出を行うなど、進化しています。
ウイルス対策・セキュリティソフトを選ぶポイント
インターネット上の脅威に対応し、ウイルス対策ソフトからセキュリティソフトへと進化していますので、セキュリティソフトを選ぶ際には、どのような機能を備えているか、比較検討する必要があるでしょう。
最新の対策ソフトでは、アクセスしたウェブサイトのコードなどをチェックして、フィッシングサイトの検出を行うなど、個人情報流出や金銭詐欺被害等を防ぐための機能を備えたものもあります。
一方、こうしたソフトは常時チェックを行うため、バックグラウンドで常に起動し、コンピュータに負荷がかかります。
動作の軽快さや、必要な機能を選んで利用できることなど、自分のPCや環境に合ったものを選びましょう。
ウイルス対策・セキュリティソフトを選ぶ他のポイントとしては、利用するための金額があります。
利用者数によっては割引があったり、一人でPCとスマホなど複数台で使用できたりというものがあります。
特にリモートワークや、複数場所で仕事をする機会がある場合には、こうした点も比較検討のためのポイントとなります。
ユーザーサポートの方法や、対応する時間帯などもチェックしておきましょう。
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■このページの著者:金原 正道