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今こそ考えたい事業承継-ilc.gr.jp

今こそ考えたい事業承継 |2021年01月24日


事業承継とは、会社の経営や、個人事業の経営を、後継者に引き継ぐことをいいます。
後継者は、親族のほか、従業員などの第三者、さらにはM&Aによる第三者もあり、近年ではM&Aによる事業承継も増えてきています。

事業承継の必要性

少子高齢化により、経営者の高齢化が進んでいます。
その一方で、親族内には後継者がおらず、後継者がいても事業の不振などにより後を継ぎたくない、あるいは継がせたくないという声も多く耳にします。

しかし、事業が仮に不振であっても、有望な技術やノウハウ、資産、知的財産があるなど、承継すべき価値のある事業もあります。
会社全体ではなく、一部の事業を承継するなどの会社再編・事業再編も含め、さまざまな事業承継の方法が活用されています。
2020年~2021年の新型コロナウイルスの蔓延により、事業そのものには本来は問題がなかったのに、一時的に経営が苦しく、事業継続の断念を検討しなければならないという事例も後を絶ちません。

こうした理由から、事業継続を断念し、廃業を選択する企業も増えています。
親族内承継にこだわらずに、従業員への承継やM&Aによる第三者への承継も増加しています。
事業承継のスキームを専門家に依頼することもポピュラーな手法として脚光を浴びています。

事業承継の種類

会社の経営や個人事業を誰に引き継ぐか、前述のように大きくは3通りの方法があります。

親族への承継

親族への承継は、もともと従業員や経営幹部として事業に関わっていたケースも多く、事前に承継への準備を進めやすいこと、事業を身近に知り尽くしていること、債権債務の引継ぎもスムーズであることから、社内や関係取引先への理解も進みやすく、受け入れられやすい方法です。
後継者の育成も、時間をかけて行うことができます。

従業員等への承継

親族ではないものの、もともと事業に関わっていたことから、事業にも精通し、社内からの理解も得られやすい方法です。
親族に適任者がいない場合や、有望な従業員が育っている場合にはメリットがあります。
後継者の育成も、社内で時間をかけて行うことができます。
親族とは異なり、会社の株式を保有していないことが多いため、その承継方法や資金面での課題があります。

M&Aによる第三者への承継

外部の第三者である会社による買収、あるいは事業の一部譲渡など、M&Aによる承継です。
M&Aを仲介する事業会社や、弁護士、公共機関による事業承継の相談なども行われています。
M&Aは活発になっており、中小企業の事業再編や、時代の変化による産業構造の変化などに対応したさまざまな取り組みが行われています。

検討事項

中小企業には、ワンマン経営のオーナー企業も多く、そうでなくても経営者の手腕や資産、人脈による経営で成り立っているケースが多くあります。
これを後継者にどう引き継ぐか、後継者をどう育てるかは重要な承継対策として検討されなければなりません。

オーナー社長が保有する自社株式を、誰にどう引き継ぐか、そのための資金はどのように調達するか、自社株の評価額は、といった検討事項もあります。

事業承継後に元のオーナー社長は引退をするのか、事業を助言する立場として残るのか。
元オーナー社長には自社株譲渡代金を一時に支払うのか、その後の助言に対する報酬を設定するのかといった、検討事項もあります。

事業承継税制

産業構造や事業再編の促進のため、事業承継円滑化法により業承継補助金が設けられ、また税制面での優遇策もあります。
事業承継税制により、会社や個人事業の後継者が取得する一定の資産については、贈与税や相続税の納税が猶予されます。
事業承継税制には、法人版事業承継税制と、個人版事業承継税制とがあります。

事業承継の相談先

https://www.smrj.go.jp/tool/supporter/succession1/index.html
中小企業経営者のための事業承継対策(独立行政法人中小企業基盤整備機構)

https://www.smrj.go.jp/sme/succession/succession/index.html
事業承継対策(独立行政法人中小企業基盤整備機構)

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/index.html
財務サポート「事業承継」(中小企業庁)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/jigyo-shokei/index.htm
事業承継税制特集(国税庁)


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■このページの著者:金原 正道

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