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押出し食品用の口金に星形の抜き穴を配置した意匠は容易に創作できるとされた事例 |2020年01月29日

事件種別 審決取消請求事件
権利種別 意匠権
発明等の名称等 押出し食品用の口金
事件番号 (行ケ)第10089号
部名 知的財産高等裁判所第4部
口頭弁論終結日 令和元年10月10日
判決結果 原審決維持
原審裁判所名 特許庁審判部
原審事件番号 不服2019-508号
当事者
原告:有限会社デッキ
被告:特許庁長官
主な争点 意匠法3条2項
全文(PDF)

事案の要旨
1 特許庁における手続の経緯等
(1) 原告は,平成29年11月30日,意匠に係る物品を「押出し食品用の口金」とし,意匠の形態を別紙第1記載のとおりとする意匠(以下「本願意匠」という。)について,意匠登録出願(意願2017-26691号。以下「本願」という。)をした(甲5)。
(2) 原告は,平成30年11月7日付けの拒絶査定(甲8)を受けたため,平成31年1月16日,拒絶査定不服審判を請求した(甲9)。
特許庁は,上記請求を不服2019-508号事件として審理し,令和元年5月9日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をし,その謄本は,同月21日,原告に送達された。
(3) 原告は,令和元年6月15日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。

本件審決の理由の要旨
本件審決の理由は,別紙審決書(写し)のとおりである。
その要旨は,①本願意匠は,意匠に係る物品を「押出し食品用の口金」とし,本願の願書の添付図面の記載によれば,ハンディーマッシャー(押し潰し器)等に装着して使用され,略星形の抜き穴から食品を棒状に押し出すことができるものである,②本願意匠の形態は,本願の出願前に公然知られたと認められる意匠1(別紙第2参照)に見られるような角部に面取りを施した5つの凸部からなる星形の抜き穴を,薄い円形板に千鳥状の配置態様になるように19個形成して創作したにすぎないものであって,この創作には当業者の立場からみた意匠の着想の新しさないし独創性があるとはいえず,本願意匠は,当業者であれば,格別の障害も困難もなく容易に創作をすることができたものと認められる,③そうすると,本願意匠は,当業者が本願の出願前に日本国内において公然知られた形状の結合に基づいて容易に創作をすることができたもの(意匠法3条2項)に該当し,意匠登録を受けることができないから,本願は拒絶すべきものであるというものである。

主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。


1 原告の主張
(1) 創作容易性の判断の誤りについて
ア 本願意匠は,星形の抜き穴を1枚の無垢の円形板に複数個,均等に穿設する際に,円形板と,整列した抜き穴が構成する図形と,抜き穴のない周縁部分が,唯一無二の美感を与えるように,個々の抜き穴のサイズを決定し,抜き穴の数を19個とし,これを千鳥状に配置したものである。本願意匠は,抜き穴のうち外側に配置された抜き穴が形成する正六角形と,その外側の蒲鉾状の周縁部分及び円形板の円形の全てが,円形板の中心点を中心として均等に整然と配置され,落ち着きと,併せてリズム感ないし安定性を表現している。
すなわち,下記の図1(星形の中心点を結んで六角形で描いた図)に示すように,円形板の円形の中に,六角形を成す抜き穴が配置された態様は,リズム感があり,全く新しい美しさである。また,図2(周縁にできる蒲鉾上の余白部分を示した図)に示すように,6個の蒲鉾状図形と,円形板の円形が醸し出す美しさは,全ての物品から理解できる美しさを凌駕する。
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これにより,本願意匠は,独特の美感をもたらし,これまでにない美感を看者に与えるものであるから,本願意匠の創作には当業者の立場からみた着想の新しさないし独創性がある。
したがって,本願意匠は,本件審決が述べる本願の出願前に公然知られた形状の結合に基づいて当業者が容易に創作をすることができたものとはいえないから,本件審決における本願意匠の創作容易性の判断には誤りがある。

(中略)

2 被告の主張

(中略)

第4 当裁判所の判断
1 本願意匠について
(1) 本願意匠は,意匠に係る物品を「押出し食品用の口金」とし,本願意匠の形態は,別紙第1記載のとおりであり,薄い円形板に,角部に面取りを施した5つの凸部からなる星形の抜き穴を,同一の方向性に向きを揃え,各抜き穴の中心部を結んだ線のなす角度が60°となるような千鳥状(「60°千鳥」)の配置態様で19個形成したものである。

(2) 本願の願書(甲5)の「意匠に係る物品の説明」欄には,「本願意匠は,主にステンレス製の薄板で作成する。食品に清潔感を表現する。」との記載がある。
本願意匠に係る「押出し食品用の口金」は,ハンディーマッシャー(押し潰し器)等に装着して使用され,抜き穴から食品を棒状に押し出すことができるものであり,略円筒形状の底面部内周部分に環状縁部を設けた上記調理器具に装着して使用されるものである(別紙第1記載の「使用状態を示す参考図1」及び「使用状態を示す参考図2」)。

2 創作容易性の判断の誤りについて

(1) 本願の出願前に公然知られた形状等について
ア 意匠1(乙1)
意匠1の意匠に係る物品は,インド菓子「ムルック」を作製する調理器具である「ムルックメーカー」(murukku maker)に装着し,ムルックの食材を抜き穴から押し出して棒状に形成する際に使用する「押出し食品用の口金板」である(乙1)。
意匠1は,別紙第2記載のとおり,「薄い円形板の中心付近に,角部に面取りを施した5つの凸部からなる星形の抜き穴を1個形成したもの」であり,本願意匠の出願前に公然知られた形状であることが認められる。

イ 意匠2(乙2)
意匠2の意匠に係る物品は,インド菓子「ムルック」を作製する調理器具である「ムルックプレス」(murukku press)に装着し,ムルックの食材を抜き穴から押し出して棒状に形成する際に使用する「押出し食品用の口金板」である(乙2)。
意匠2は,別紙第3記載のとおり,「薄い円形板の中心から略等距離の位置に,角部に面取りを施した6つの凸部からなる星形の抜き穴を,正三角形となる配置態様で3個形成したもの」であり,本願意匠の出願前に公然知られた形状であることが認められる。

ウ 意匠3(乙3)
意匠3の意匠に係る物品は,押出し食品用の調理器具としても使用できるステンレススチール製の「ポテトライサー(Potato Ricer)」に装着し,じゃがいも等の食品を抜き穴から押し出す際に使用する「押出し食品用の口金板」である(乙3)。
意匠3は,別紙第4記載のとおり,「薄い円形板の全面部分に,同一形状の長円形の抜き穴を,その長手方向の傾きの角度を揃えて,略千鳥状の配置態様で19個形成したもの」であり,本願意匠の出願前に公然知られた形状であることが認められる。

エ 乙4等
(ア) 乙4
(https:// 以下省略 のインターネット・アーカイブ「誰でもわかるパンチングメタル」)
乙4には,「パンチングメタルとは」,「パンチング加工(孔あけ)が施された板状やシート状の金属材料です。」,「パンチング加工とは」,「パンチとダイと呼ばれる金型を使って板状やシート状の材料を打ち抜く加工方法のことです。…さらに,配列や孔の形状・大きさを工夫することでデザイン性を持たせることができ,装飾用パネルとしてもご使用いただけます。」,「これだけは知っておきたいパンチングメタル3つの基礎知識」の「2.孔の配列について」として,「孔の配列では,千鳥(ちどり)と呼ばれる互い違いに孔が開いたものがよく用いられます。孔の位置関係により,60°千鳥(ろくじゅうどちどり)や45°千鳥(よんじゅうごどちどり)などと呼ばれます。このほかに,並列に並んだものがポピュラーです。」との記載がある。
また,乙4には,別紙第5記載のとおり,10個の丸孔が60°千鳥で配列された図が示されている。

(イ) 乙5
(https:// 以下省略 のインターネット・アーカイブ)
乙5には,8個の丸孔が60°千鳥で配列された「パンチング配列パターン」が示されている。

(ウ) 乙6
(https:// 以下省略 のインターネット・アーカイブ)
乙6には,「丸孔」の「千鳥抜60°」の項目に「孔は正三角形の頂点に開けられており,孔の中心を結ぶ線の角度が60°で配列されています。千鳥抜きは配列が整然と美しくインテリア分野に最適で,また濾過・飾用としても多く使用されてます。パンチングメタルのほとんどがこの型です。」との記載がある。
また,乙6には,14個の丸孔が60°千鳥で配列された「千鳥抜60°」の図が示されている。

(エ) まとめ
前記(ア)ないし(ウ)及び前記ウを総合すれば,本願の出願当時(出願日平成29年11月30日),①板状の金属材料にデザイン性を持たせるため,60°千鳥の配置態様で,複数個の「抜き孔」を設けることは,ごく普通に行われていたことであり,当業者にとってありふれた手法であったこと,②19個の抜き穴を千鳥状に配置する形状は,公然知られていたこと(例えば,意匠3)が認められる。

(2) 検討
ア 意匠法3条2項は,物品との関係を離れた抽象的モチーフとして意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を基準として,当業者が容易に創作をすることができる意匠でないことを登録要件としたものであることに照らすと,意匠登録出願に係る意匠について,上記モチーフを基準として,その創作に当業者の立場からみた意匠の着想の新しさないし独創性があるものと認められない場合には,当業者が容易に創作をすることができた意匠に当たるものとして,同項の規定により意匠登録を受けることができないものと解するのが相当である(最高裁昭和45年(行ツ)第45号同49年3月19日第三小法廷判決・民集28巻2号308頁,最高裁昭和48年(行ツ)第82号同50年2月28日第二小法廷判決・裁判集民事114号287頁参照)。
これを本願意匠についてみるに,

(中略)

しかるところ,前記(1)ア及びイの認定事実によれば,本願意匠に係る「押出し食品用の口金板」の物品分野においては,抜き穴から食品を棒状に押し出す調理器具に使用される金属製の円形板の口金板に設けられた,角部に面取りを施した5つ又は6つの凸部からなる星形の抜き穴の形状は,本願の出願当時,公然知られていたことが認められる。
加えて,前記(1)エ(エ)認定のとおり,板状の金属材料にデザイン性を持たせるため,60°千鳥の配置態様で,複数個の「抜き孔」を設けることは,本願の出願当時,ごく普通に行われていたことであり,当業者にとってありふれた手法であったこと,19個の抜き穴を千鳥状に配置する形状は公然知られていたこと(例えば,意匠3)に照らすと,本願意匠は,本願の出願当時,円形板の抜き穴の形状として公然知られていた角部に面取りを施した5つの凸部からなる星形の抜き穴(例えば,意匠1)を,当業者にとってありふれた手法により,薄い円形板に,同一の方向性に向きを揃えて,60°千鳥の配置態様で19個形成して創作したにすぎないものといえるから,本願意匠の創作には当業者の立場からみた意匠の着想の新しさないし独創性があるものとは認められない。
したがって,本願意匠は,本願の出願前に公然知られた形状の結合に基づいて,当業者が容易に創作をすることができたものと認められる。
これと同旨の本件審決の判断に誤りはない。

(中略)

しかしながら,前記ア認定のとおり,本願意匠は,本願の出願当時,円形板の抜き穴の形状として公然知られていた角部に面取りを施した5つの凸部からなる星形の抜き穴(例えば,意匠1)を,当業者にとってありふれた手法により,薄い円形板に,同一の方向性に向きを揃えて,60°千鳥の配置態様で19個形成して創作したにすぎないものである。
そして,前記1(2)認定のとおり,本願意匠に係る物品「押出し食品用の口金」は,略円筒形状の底面部内周部分に環状縁部を設けた調理器具に装着して使用され,抜き穴から食品を棒状に押し出すことができるものであることに照らすと,調理器具の環状縁部と当接する口金の周縁部分に抜き穴を形成することができない余白部分が生じ得ることは,当業者であれば,当然想定するものといえる。また,円形板の口金に,角部に面取りを施した5つの凸部からなる星形の抜き穴を,同一の方向性に向きを揃えて,60°千鳥の配置態様で19個配置する場合には,円形板の直径と円形板に配置する星形の抜き穴に外接する円形の直径の比率,抜き穴と抜き穴の中心間隔(ピッチ)等に応じて,口金の周縁部分の余白部分の大きさは一定の範囲内のものに収まること,円形板の中心に星形の抜き穴を配置し,これを中心点として19個の星形の抜き穴を60°千鳥に配置した場合,外側に配置された星形の抜き穴の周縁部側の凸部先端をそれぞれ直線で結んだ図形は正六角形となり,この図形と円形板の外周とで形成される余白部分が蒲鉾状となることは自明であることに照らすと,別紙第1記載の本願意匠の余白部分の形状の創作に着想の新しさないし独創性は認められない。
したがって,原告の上記主張は採用することができない。

3 結論
以上によれば,原告主張の取消事由は理由がなく,本件審決にこれを取り消すべき違法は認められない。
したがって,原告の請求は棄却されるべきものである。

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解説

意匠法第3条第2項は、
「意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたときは、その意匠(前項各号に掲げるものを除く。)については、同項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。」
と規定しています。

つまり、容易に創作できない意匠であることが必要です。
意匠登録出願前に、その意匠の属する分野の当業者が、日本国内・外において公然知られた形状、模様等に基づき、容易に意匠の創作をすることができる意匠は、登録が認められません。

容易に創作することができる意匠と認められるものの例として、(1)置換の意匠、(2)寄せ集めの意匠、(3)構成比率の変更又は連続する単位の数の増減による意匠などが該当します。

この判例では、本願意匠は,本願の出願当時,円形板の抜き穴の形状として公然知られていた角部に面取りを施した5つの凸部からなる星形の抜き穴を,当業者にとってありふれた手法により,薄い円形板に,同一の方向性に向きを揃えて,60°千鳥の配置態様で19個形成して創作したにすぎないものとした点が、意匠法第3条第2項に該当するとしたものです。


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加工した写真をプロフィール画像に使用し著作者人格権の侵害とされた事例 |2020年01月12日

事件種別 侵害訴訟等控訴事件
権利種別 著作権
事件種類 損害賠償
発明等の名称等 写真
事件番号 令和1(ネ)10048
部名 4部
裁判年月日 令和元年12月26日
判決結果 原判決変更
原審裁判所名 東京地方裁判所
原審事件番号 平成30(ワ)32055
当事者
一審原告:X
一審被告:Y
主な争点 損害額(3項),複製,公衆送信権(送信可能化を含む)
全文(PDF)

事案の要旨
本件は,1審原告が,1審被告が1審原告の著作物である別紙写真目録記載の写真(以下「本件写真」という。)の画像データを一部改変の上,オンライン・カラオケサービスのアカウントの自己のプロフィール画像等としてアップロードした行為が1審原告の著作権(複製権及び公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)の侵害行為に当たる旨主張して,1審被告に対し,著作権侵害及び著作者人格権侵害の不法行為に基づく損害賠償として,168万9848円及びうち84万4924円に対する平成28年1月7日から,うち84万4924円に対する同年2月18日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
原判決は,1審被告に対し,71万2226円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を命じる限度で1審原告の請求を認容し,その余の請求を棄却した。
原判決に対して,1審原告は,1審原告の敗訴部分のうち,76万6000円及びこれに対する遅延損害金の支払請求を棄却した部分を不服として控訴を提起し,1審被告は,1審被告の敗訴部分全部を不服として控訴を提起した。

主 文
1 1審被告の控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。
2 1審被告は,1審原告に対し,58万2226円及びうち29万1113円に対する平成28年1月7日から,うち29万1113円に対する同年2月18日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 1審原告のその余の請求を棄却する。
4 1審原告の控訴を棄却する。
5 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを3分し,その2を1審原告の負担とし,その余を1審被告の負担とする。
6 この判決の第2項は,仮に執行することができる。

第4 当裁判所の判断

2 争点1(本件写真の著作権(複製権及び公衆送信権)及び著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)の侵害の成否)について
次のとおり訂正するほか,原判決の「事実及び理由」の第4の2記載のとおりであるから,これを引用する。
(1) 原判決14頁23行目から15頁11行目までを次のとおり改める。
「(1) 著作物の複製(著作権法21条,2条1項15号)とは,著作物に依拠して,その表現上の本質的な特徴を直接感得することのできるものを有形的に再製する行為をいい,著作物の全部ではなく,その一部を有形的に再製する場合であっても,当該部分に創作的な表現が含まれており,独立した著作物性が認められるのであれば,複製に該当するものと解される。
前記1(1)の認定事実によれば,本件写真(別紙写真目録記載の写真)は,1審原告が2羽のペンギンが前後(写真上は左右)に並んで歩いている様子を構図,陰影,画角及び焦点位置等に工夫を凝らし,シャッターチャンスを捉えて撮影したものであり,1審原告の個性が表現されているものと認められるから,創作性があり,1審原告を著作者とする写真の著作物(同法10条1項8号)に当たるものと認められる。
また,本件写真の2羽のペンギンのうち,右側のペンギンのみを被写体とする部分は,著作物である本件写真の一部であるが,当該部分にも構図,陰影,画角及び焦点位置等の点において,1審原告の個性が表現されているものと認められるから,創作性があり,独立した著作物性があるものと認められる。同様に,本件写真の2羽のペンギンのうち,左側のペンギンのみを被写体とする部分は,著作物である本件写真の一部であるが,1審原告の個性が表現されているものと認められるから,創作性があり,独立した著作物性があるものと認められる。
しかるところ,前記1(2)ないし(4)の認定事実によれば,1審被告は,平成28年1月7日頃,1審原告が本件写真を画像データ化した原告画像をインターネットのウェブサイトからダウンロードし,同日頃には,原告画像の2羽のペンギンのうち,右側のペンギン及びその背景のみを切り出すトリミング処理をし,原告画像に存在した原告氏名表示を削除した上で,当該画像データを本件サービスの被告アカウントのプロフィール画像として使用するためにアップロードし,同年2月18日頃には,原告画像の2羽のペンギンのうち,左側のペンギン及びその背景のみを切り出すトリミング処理をし,原告画像に存在した原告氏名表示を削除した上で,当該各画像データを本件サービスの被告アカウントのプロフィール画像として使用するためにアップロードし,これらのアップロードにより,被告各画像の画像データは,URLが付された状態でSmule社が使用する米国のサーバ内に格納されて,本件写真の一部が有形的に再製され,送信可能化されたものと認められるから,1審被告の上記各行為(行為1及び2)は,それぞれが,1審原告の有する本件写真の複製権及び公衆送信権の侵害に当たるとともに,1審原告の氏名表示権及び同一性保持権の侵害に当たるものと認められる。」

取引経緯から商標権者は信義則に反し公序良俗違反の登録とされた事例 |2019年12月11日

事件種別 審決取消訴訟
権利種別 商標権
事件種類 審決(無効・成立)取消
発明等の名称等 仙三七
事件番号 令和1(行ケ)10073
部名 3部
裁判年月日 令和元年10月23日
判決結果 請求棄却
当事者 原告:(株)ベネセーレ 被告:日本薬食(株)
主な争点 公序良俗違反(4条1項7号)

全文

第1 請求
特許庁が無効2018-890041号事件について平成31年4月19日
にした審決を取り消す。

第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経緯等(後掲各証拠及び弁論の全趣旨から認められる事実)
(1)原告は,「仙三七」との文字を横書きにしてなる次の商標(以下「本件商標」という。)の商標権者である(甲25)。
登録番号 第5935066号
登録出願日 平成28年10月14日
設定登録日 平成29年 3月24日
商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務
第5類 サプリメント
(2)被告は,平成30年5月31日,本件商標につき特許庁に無効審判請求をし,特許庁は,上記請求を無効2018-890041号事件として審理した。
(3)特許庁は,上記請求について審理した上,平成31年4月19日,「登録第5935066号の登録を無効とする。」旨の審決(以下「本件審決」という。)をした。その謄本は,同月27日,原告に送達された。
(4)原告は,令和元年5月23日,本件審決の取消しを求めて本件訴訟を提起した。

2 本件審決の理由の要旨
本件審決の理由は,別紙審決書(写し)記載のとおりであり,その要旨は,次のとおりである。
本件商標の登録出願が行われた平成28年10月14日当時,原告は,被告の製造する健康食品である仙三七商品(「仙三七」との名称が付された商品)やマナマリン商品(「マナマリン」との名称が付された商品)等を仕入れ,我が国で薬局薬店に販売する販売業者として,被告と取引関係にあった。そして,仙三七商品には,被告が登録していた「仙三七」との商標が付されていたところ,それは,「商標使用許諾に関する覚書」(甲6。以下「本件覚書」という。)に基づくものといえる。
原告は,専門家に相談したところ被告が登録していた上記「仙三七」との商標は原告が販売していた商品を正しく保護していないことが判明したためにやむなく本件商標を,サプリメントを指定商品として出願し,平成29年3月24日に登録を得たものであると主張する。
しかしながら,仮にそうであるのであれば,本件覚書7条の規定に従い,原告は,被告に対し,「仙三七」の商標権の登録出願手続をするように注意喚起すれば足りるはずであるのに,それを怠っており,むしろ,「仙三七」という商標が第5類「サプリメント」に商標登録されていないことを奇貨として,本件商標の登録出願を行うことを被告に秘匿したまま,本件商標の登録出願を行っているといえるから,被告の「仙三七」との商標を剽窃したものといわざるを得ない。
以上のとおり,本件商標の登録出願の経緯には著しく社会的妥当性を欠くものがあり,その商標登録を認めることは,商標法の予定する秩序に反するものとして容認し得ないというべきである。
したがって,本件商標は,商標法4条1項7号に該当する。

第5 当裁判所の判断
1 認定事実
(略)

2 取消事由(商標法4条1項7号該当性についての判断の誤り)について
商標法4条1項7号所定の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には,健全な商道徳に反し,著しく社会的妥当性を欠く出願行為に係る商標も含まれると解される。
(1)そこで,まず,原告による本件商標の登録出願が,被告との関係で義務違反となりうるかについて検討する。
前記1(1)(2)の各事実によれば,原告と被告とは,本件商標の登録出願が行われた平成28年10月14日時点を含めて,平成11年頃から平成29年10月12日頃までの間,被告が,原告に対し,独占的に本件被告商品やマナマリンなどを卸売りし,原告がこれを薬局薬店等に販売するという長期間にわたる取引関係にあった。
かかる取引関係に関して,前記1.エのとおり,原告と被告とは,被告商標の登録が完了した直後である平成16年3月25日,本件覚書(甲6)を締結した。本件覚書の柱書,1条,3条の記載に照らすと,本件覚書は,被告商標として登録された「仙三七」との商標を,本件被告商品に付して,販売することを前提とするものであることが明らかである。また,本件覚書には,被告及び原告は,第三者が被告商標の権利を侵害し又は侵害しようとしていることを知ったときには互いに遅滞なく報告し合い協力してその排除に努めるものとすること(第5条)や,被告及び原告は,信義に基づいて本件覚書を履行するものとし,万一本件覚書に関して疑義が生じた場合には,被告及び原告はお互いに誠意をもってこれを解決するものとすること(第7条)とする合意が含まれていた。このように,被告が原告に使用許諾して「仙三七」との商標を本件被告商品に付して販売することとされ,第三者からの被告商標に係る商標権の侵害に対する対策も合意された上で,7条において信義に基づいて本件覚書を履行するとされていたことに照らすと,本件覚書において,原告自身が,三七人参を原材料とした健康食品との関連で「仙三七」との商標を商標登録することは全く想定されていないといえる。
以上によれば,長期間にわたり,本件被告商品の卸売りを受けて,これに被告商標と同じ「仙三七」との商標を付して販売し,利益を上げていた原告は,被告との関係において,被告が「仙三七」との商標の商標権者として,かかる商標を付して本件被告商品を販売することを妨げてはならない信義則上の義務を負っていたものということができる。
そして,原告による本件商標の登録出願は,被告商標と同じく「仙三七」を横書きにしてなる商標について,本件被告商品を指定商品に含むものとして登録出願するものである。かかる登録が認められることになると,被告は,「仙三七」との商標の商標権者として,第三者に使用許諾をするなどしてかかる商標を付して本件被告商品を販売することはできなくなり,重大な営業上の不利益を受けるおそれが生じる。
以上によれば,原告の本件商標の登録出願は,上記信義則上の義務に反するものといわざるを得ない。

(2) 次に,原告の本件商標の登録出願の経緯及び目的についてみる。
前記1.イからエのとおり,原告は,上記出願の前後において,被告に対し,被告商標が本件被告商品を指定商品に含んでいない可能性や自らが本件商標を登録出願することについて何ら告げることはなく,本件商標の設定登録完了から4か月以上経過した後の平成29年8月18日付けの「申し入れ書」(甲7)において,初めて,本件商標の商標権者であることを明らかにした上で,原告と被告との本件被告商品の取引終了を一方的に申し入れると
ともに,被告に対し,マナマリンの商標の譲渡やそれを条件とした三七人参の購入などを提案したものである。
これに対し,上記「申し入れ書」の内容に照らすと,原告自身は,当該「申し入れ書」を送付する前に,被告以外の第三者から,本件被告商品と同種の競合品を購入する段取りを既に整えていたと認められる。
そして,原告は,その後の被告とのやりとりの中で,原告から被告に対する営業譲渡の申入れや被告商標の譲渡の依頼に応じてもらえなかったこと,被告の本件被告商品の仕入れ価格が高額であるために原告独自の商品を生産することにしたことなどをも理由として挙げながら,原告としては被告の生産する本件被告商品が原告の希望仕入れ価格に不適格であると判断し,原告にて新しいブランドで生産から販売を開始することなどを伝えている。
このような原告の言動に照らすと,原告は,「仙三七」との商標が,本件被告商品と同種の商品に付されることによって生じる利益を独占するべく,被告に本件商標と競合する商標を登録出願されないように注意を払った上で,自らは,同種商品の調達ルートを確立する一方で,被告との取引関係を終了する準備を計画的に整えながら,本件商標の登録出願及び上記「申し入れ書」の送付に及んだものといえる。

(3)以上によれば,原告による本件商標の登録出願は,被告が「仙三七」との商標を付して本件被告商品を販売することを妨げてはならない信義則上の義務を負うにもかかわらず,被告商標が本件被告商品を指定商品として含まない可能性があることを奇貨として本件商標の登録出願を行い,本件商標を取得し,被告が「仙三七」のブランドで健康食品を販売することを妨げて,その利益を独占する一方で,その他の商品の取引に関する交渉を有利に進める
という不当な利益を得ることを目的としたものということができる。
このような本件商標の登録出願の経緯及び目的に鑑みると,原告による本件商標の出願行為は,被告との間の信義則上の義務違反となるのみならず,健全な商道徳に反し,著しく社会的妥当性を欠く行為というべきである。
そうすると,このような出願行為に係る本件商標は,商標法4条1項7号所定の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するものといえる。

(4)原告の主張について
(略)

(5)まとめ
したがって,本件商標は,商標法4条1項7号所定の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当するから,本件審決の判断に誤りはない。

解説

商標法第4条第1項第7号は、
「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」は登録できないとしているところ、商標審査基準では、下記のようなものが本号に該当するとしています。

(1) 商標の構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音である場合。
なお、非道徳的若しくは差別的又は他人に不快な印象を与えるものであるか否か は、特に、構成する文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音に係る歴史的背景、社会的影響等、多面的な視野から判断する。
(2) 商標の構成自体が上記(1)でなくても、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合。
(3) 他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合。
(4) 特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合。
(5) 当該商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くものがある等、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合。

判決においては、
「原告の本件商標の登録出願は,上記信義則上の義務に反するものといわざるを得ない」としていますが、これは民法の下記の基本原則に抵触することを指摘しています。

(基本原則)
第1条
私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
権利の濫用は、これを許さない。


関連サイト:

商標法 外部サイトへ

商標法第4条第1項第7号 外部サイトへ商標登録.com

素材の配列に関与した者にまで編集著作権を認めなかった事例 |2019年12月11日

事件種別 侵害訴訟等控訴事件
権利種別 著作権
事件種類 損害賠償
事件番号 平成31(ネ)10026
部名 3部
裁判年月日 令和元年8月7日
判決結果 控訴棄却
原審裁判所名 ?横浜地方裁判所 川崎支部
原審事件番号 平成30(ワ)476
当事者 控訴人:X  被控訴人:(株)幻戯書房
主な争点 ?編集著作権

要旨:
決定権限を持たずに素材の配列に関与した者,例えば,単なる原案,参考案の作成者や,相談を受けて参考意見を述べた者までがおよそ編集著作者となるというものであるとすれば,そのような主張は,著作者の概念を過度に拡張するものであって,採用することはできない。

前件訴訟において被控訴人が編集著作者でないと自白し,本件書籍が編集著作物であれば控訴人が編集著作者であると認めたなどとする事実関係を裏付ける証拠はなく、かえって前訴の蒸し返しである。

全文

第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,別紙謝罪文目録記載の文章を自社の出版案内とホームページに掲載せよ。
3 被控訴人は,控訴人に対し,215万2000円及びこれに対する平成24年12月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要等(略称は,特に断らない限り原判決に従う。)
1 本件は,控訴人が,編集著作物である原判決別紙書籍目録記載の書籍(本件書籍)の編集著作者であるところ,被控訴人による本件書籍の複製及び販売は,控訴人の有する編集著作物に係る編集著作権(複製権及び譲渡権)及び著作者人格権(氏名表示権)を侵害する行為である旨主張して,被控訴人に対し,著作権及び著作者人格権侵害の不法行為に基づく損害賠償金215万2000円(印税相当額の損害15万2000円及び慰謝料200万円の合計額)及びこれに対する不法行為の日である平成24年12月9日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,著作権法115条に基づき,編集著作者としての名誉及び声望の回復措置として謝罪広告等の掲載を求める事案である。

2 原審は,控訴人の請求をいずれも棄却したところ,控訴人がこれを不服として控訴するとともに,当審において,控訴の趣旨2項にかかる謝罪広告等を求める内容につき訴えを変更した。

3 前提事実
前提事実は,原判決「事実及び理由」の第2の1(原判決2頁8行目から4頁10行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,原判決4頁4行目「(乙1の1及び2)」を「(乙1の1及び2。かかる一連の訴訟を「前件訴訟」といい,確定した判決を「前訴確定判決」という。)」と改める。)。

4 争点及び争点に関する当事者の主張
本件における当事者の主張は,後記5のとおり争点1(控訴人が本件書籍の編集著作者であるか否か)に関する当審における補充主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」の第2の2(原判決4頁11行目から7頁22行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。

第3 当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人は編集著作者であるとは認められず,その請求はいずれも理由がないものと判断する。
その理由は,次のとおりである。

1 認定事実
原判決「事実及び理由」の第3の1(原判決7頁24行目から17頁17行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。

2 争点1(控訴人が本件書籍の編集著作者であるか否か)について.
(1)次のとおり原判決を補正し,後記.のとおり当審における補充主張に対する判断を付加するほかは,原判決「事実及び理由」の第3の2(原判決17頁18行目から20頁8行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
ア 原判決19頁21行目「の依頼を受けたA」を削除する。
イ 原判決19頁22行目「ったことから」を「い,Aにその事務を行わ
せたから」と改める。

(2)当審における補充主張に対する判断
ア 控訴人は,編集著作物において素材の選択,配列を決定した者は問題とならず,配列を行ったのは控訴人であるなどと主張する。しかしながら,控訴人の主張が,決定権限を持たずに素材の配列に関与した者,例えば,単なる原案,参考案の作成者や,相談を受けて参考意見を述べた者までがおよそ編集著作者となるというものであるとすれば,そのような主張は,著作者の概念を過度に拡張するものであって,採用することはできない。また,本件において本件書籍の分類項目を設け,選択された作品をこれらの分類項目に従って配列することを決定したのが被控訴人であることは先に引用した原判決認定のとおりであって,当審における控訴人の主張を踏まえてもかかる認定は左右されない。
イ また,控訴人は,被控訴人の前件訴訟における訴訟行為を捉えて,本件において被控訴人は自分自身が編集著作者であると主張することは許されないなどと主張する。
しかしながら,そもそも控訴人が前提とするところの,前件訴訟において被控訴人が編集著作者でないと自白し,本件書籍が編集著作物であれば控訴人が編集著作者であると認めたなどとする事実関係を裏付ける証拠はないから,控訴人の主張はその前提を欠くものである。かえって,控訴人による本件訴訟は,前件訴訟においてAが敗訴したことを受けて,原告を控訴人とするとともに,Aは控訴人の代理人であったなどとして,実質的には前件訴訟と同様の事実関係の主張を繰り返すものに過ぎず,前件訴訟の蒸し返しであるといわざるを得ない。
上記の控訴人の主張は採用できない。

(3)以上によれば,控訴人が決定し,Aに行わせたとする事務自体,本件書籍における素材の配列について,創作性を有する行為であったとはいえないから,控訴人が本件書籍の編集著作者であるとは認められない。

学習塾のテキスト問題と解説(著作物)をライブ解説することが、原著作物の複製・翻案に当たらないとされた事例 |2019年11月28日

事件種別 侵害訴訟等控訴事件
権利種別 著作権
事件種類 著作権に基づく差止等
発明等の名称等 試験問題のライブ解説
事件番号 令和1(ネ)10043
部名 3部
裁判年月日 令和元年11月25日
判決結果 控訴棄却
原審裁判所名 東京地方裁判所
原審事件番号 平成30(ワ)16791
当事者
  控訴人:(株)日本入試センター
  被控訴人:(株)受験ドクター
主な争点 著作物性,翻案,編集著作権
全文(PDF)

第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,原判決別紙1-1ないし1-4記載の著作物を解説する原判決別紙2記載のライブ映像をウェブ上に流すこと及び将来同種のライブ映像をウェブ上に流す行為をしてはならない。
3 被控訴人は,控訴人に対し,1500万円及びこれに対する平成30年6月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要等(略称は原判決のそれに従う。)
1 本件は,学習塾等の運営に当たって原判決別紙1-1及び1-2の各問題(本件問題)並びに同別紙1-3及び1-4の「解答と解説」と題する各解説(本件解説)を作成した控訴人が,控訴人とは別個に本件問題についての解説(被告ライブ解説)をインターネット上で動画配信した被控訴人に対し,①被控訴人が被告ライブ解説に際して本件問題及び本件解説を複製して利用することによって控訴人の複製権を侵害した旨主張し,また,②被告ライブ解説は本件問題及び本件解説の翻案であるから翻案権の侵害に当たる旨主張して,被告に対し,著作権法112条1項に基づき,上記動画等の配信の差止め及びその予防を求めるとともに,同法114条2項に基づき,損害賠償の一部請求として1500万円及びこれに対する不法行為の日以後である平成30年6月13日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
原審は,控訴人の請求をいずれも棄却する原判決をした。控訴人がこれを不服として控訴した。

2 前提事実及び争点は,原判決「事実及び理由」「第2 事案の概要」「2前提事実」(原判決2頁14行目から3頁5行目まで)及び「3 争点」(原判決3頁6行目から9行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。

3 当事者の主張は,当審における控訴人の補充主張を次項のとおり付加するほか,原判決「事実及び理由」「第3 当事者の主張」(原判決3頁10行目から10頁6行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。

⑴ 被控訴人は,本件問題又は本件解説の複製を行っているかについて
「控訴人は,被告ライブ解説に接する生徒たちがテストを受けてきたばかりであって問題文の記憶が鮮明に残っていること,生徒たちが本件問題及び本件解説を手元に置いて参照しながら視聴していることをも総合的に考察すべきである旨主張するが,被控訴人の手によって有形的な再製が行われていない以上,『複製』が行われたと認めることはできない。」


⑵ 被告ライブ解説は本件問題の翻案に当たるかについて
「本件問題は,控訴人自身も主張するとおり,題材となる作品の選択や,題材とされる文章のうち設問に取り上げる文又は箇所の選択,設問の内容,設問の配列・順序に作者の個性が現れた編集著作物であり,ここでは,このような素材の選択及び配列等に,その本質的特徴が現れているということができる。これに対し,被告ライブ解説は,作成された問題(すなわち,素材の選択及び配列等)を所与のものとして,これに対する解説,すなわち,問いかけられた問題に対する回答者の思考過程や思想内容を表現する言語の著作物であって,このような思考過程や思想内容の表現にその本質的特徴が現れているものである。
このように,編集著作物である本件問題と,言語の著作物である被告ライブ解説とでは,その本質的特徴を異にするといわざるを得ないのであるから,仮に,被告ライブ解説が,本件問題が取り上げた文を対象とし,本件問題が提起したのと同一の問題を,その配列・順序に従って解説しているものであるとしても,それは,あくまでも問題の解説をしているのであって,問題を再現ないし変形しているのではなく,したがって,本件問題の翻案には当たらないものといわざるを得ない。」

⑶ 被告ライブ解説は本件解説の翻案に当たるかについて
「しかしながら,読解対象文章及び設問・選択肢の文章を前提としていること自体からは,表現にわたらない内容の同一性がもたらされるにすぎないから,表現の本質的特徴の同一性の有無は,別途,文言等の共通性等を通じて判断されるべきものである。したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。
また,控訴人は,本件ライブ解説の個々の箇所について,本件解説との間で表現上の本質的特徴の同一性を有する旨主張する。しかしながら,本件解説と被告ライブ解説とがいずれも本件問題に対する解説であることに由来して内容の類似性・同一性はみられ,被告ライブ解説は,その内容については部分的に本件解説と本質的特徴を同一にするといえるものの,その表現については,控訴人の主張を踏まえて検討しても,本件解説と本質的特徴を同一にするとは認められない。したがって,控訴人の主張は採用することができない。」

ポパイ事件 |2019年11月13日

関連資料

連載漫画と二次的著作物
発明 Vol.94 1997-11
知的所有権判例ニュース
神谷 巖

最高裁判例

最高裁判例
事件番号 平成4(オ)1443
事件名 著作権侵害差止等
裁判年月日 平成9年7月17日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
結果 その他
判例集等巻・号・頁 民集 第51巻6号2714頁
原審裁判所名 東京高等裁判所
原審事件番号 平成2(ネ)734
原審裁判年月日 平成4年5月14日
判示事項
一 漫画の登場人物のいわゆるキャラクターの著作物性
二 二次的著作物の著作権が生ずる部分
三 連載漫画において登場人物が最初に掲載された漫画の著作権の保護期間が満了した後に当該登場人物について著作権を主張することの可否
四 著作権法二一条の複製権を時効取得する要件としての権利行使の態様とその立証責任
五 上告審における被上告人の新たな主張が民訴法四二〇条一項八号に照らし許されるものとされた事例
裁判要旨
一 漫画において一定の名称、容貌、役割等の特徴を有するものとして反復して描かれている登場人物のいわゆるキャラクターは、著作物に当たらない。
二 二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与された創作物部分のみについて生じ、原著作物と共通し、その実質を同じくする部分には生じない。
三 連載漫画において、登場人物が最初に掲載された漫画の著作権の保護期間が満了した場合には、後続の漫画の著作権の保護期間がいまだ満了していないとしても、当該登場人物について著作権を主張することはできない。
四 著作権法二一条の複製権を時効取得する要件としての継続的な行使があるというためには、著作物の全部又は一部につき外形的に著作権者と同様に複製権を独占的、排他的に行使する状態が継続されていることを要し、そのことについては取得時効の成立を主張する者が立証責任を負う。
五 被上告人の平成五年法律第四七号による改正前の不正競争防止法(昭和九年法律第一四号)一条一項一号に基づく差止請求に対して、上告人が商標権の行使を理由として同法六条の抗弁を主張している場合において、事実審の口頭弁論終結後に当該商標権につき商標登録を無効とする審決が確定したときは、民訴法四二〇条一項八号に照らし、被上告人は上告審でこれを主張することができる。
参照法条
著作権法2条1項1号,著作権法2条1項11号,著作権法21条,著作権法53条1項,著作権法56条1項,民法163条,民訴法第2編第3章第1節総則,民訴法394条,民訴法420条1項8号,旧不正競争防止法(昭和9年法律第14号)1条1項1号,旧不正競争防止法(昭和9年法律第14号)6条,商標法46条1項1号
全文(PDF)

京都アルファネット事件 |2019年11月13日

関連資料

アルファネット事件(刑事)
大谷重夫
「被告人がわいせつな画像データを記憶、蔵置させたホストコンピュータのハードデスクは、刑法175条のわいせつ物に当たる、とした刑事判例である。」

最高裁平成13年7月16日判決(平成11年(あ)第1221号、判時1762号150頁。刑集55巻5号317頁)
大阪高裁平成11年8月26日判決(平成9年(う)第1052号、判時1692号148頁、高刑集52巻42頁)
京都地裁平成9年9月24日判決(平成7年(わ)第820号、判時1638号160頁)

最高裁判例

最高裁判例
事件番号 平成11(あ)1221
事件名 わいせつ物公然陳列被告事件
裁判年月日 平成13年7月16日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 決定
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 刑集 第55巻5号317頁
原審裁判所名 大阪高等裁判所
原審事件番号 平成9(う)1052
原審裁判年月日 平成11年8月26日
判示事項
1 わいせつな画像データを記憶,蔵置させたいわゆるパソコンネットのホストコンピュータのハードディスクと刑法175条のわいせつ物         
2 刑法175条にいうわいせつ物を「公然と陳列した」の意義        
3 いわゆるパソコンネットのホストコンピュータのハードディスクにわいせつな画像データを記憶,蔵置させる行為と刑法175条にいうわいせつ物の公然陳列   
裁判要旨
1 わいせつな画像データを記憶,蔵置させたいわゆるパソコンネットのホストコンピュータのハードディスクは,刑法175条が定めるわいせつ物に当たる。
2 刑法175条にいうわいせつ物を「公然と陳列した」とは,その物のわいせつな内容を不特定又は多数の者が認識できる状態に置くことをいい,わいせつな内容を特段の行為を要することなく直ちに認識できる状態にすることを要しない。  
3 いわゆるパソコンネットのホストコンピュータのハードディスクにわいせつな画像データを記憶,蔵置させ,不特定多数の会員が自己のパソコンを使用して,この画像データをダウンロードした上,画像表示ソフトを用いて画像を再生閲覧することが可能な状態に置くことは,刑法175条にいうわいせつ物を「公然と陳列した」ことに当たる。
参照法条 刑法175条
全文(PDF)

関連資料

ネットの法律紛争と法整備
-20年の歴史を駆け足で振り返る
(PDF)
弁護士・国立情報学研究所客員教授
岡村久道

ネット事業の法的リスク 窶東f示板運営を含む-(PDF)
(インターネットウィーク2005 Dec. 08)
英知法律事務所
弁護士 森 亮二

サイバースペースと表現の自由(六) : 表現内容規制をめぐるアメリカ憲法理論の検討を中心に(PDF)
北海道大学
Author(s) 小倉, 一志
Citation 北大法学論集, 55(6), 167-225
Issue Date 2005-03-18
Doc URL http://hdl.handle.net/2115/36656
Type bulletin (article)
File Information 55-6_p167-225.pdf

中古ゲームソフト販売訴訟 |2019年11月13日

関連資料リンク

中古ゲームソフト販売訴訟
パテントサロン

最高裁判例

最高裁判例
事件番号 平成13(受)952等
事件名 著作権侵害行為差止請求事件
裁判年月日 平成14年4月25日
法廷名 最高裁判所第一小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 民集 第56巻4号808頁
原審裁判所名 大阪高等裁判所
原審事件番号 平成11(ネ)3484
原審裁判年月日 平成13年3月29日
判示事項 家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著作物の複製物を公衆に譲渡する権利と複製物の再譲渡
裁判要旨
家庭用テレビゲーム機に用いられる映画の著作物の複製物を公衆に譲渡する権利は,いったん適法に譲渡された複製物について消尽し,その効力は,当該複製物を公衆に提示することを目的としないで再譲渡する行為には及ばない。
参照法条
著作権法2条1項19号,著作権法2条3項,著作権法10条1項7号,著作権法26条,著作権法112条
全文(PDF)

「そうすると,本件各ゲームソフトが,上告人らを発売元として適法に販売され,小売店を介して需要者に購入されたことにより,当該ゲームソフトについては,頒布権のうち譲渡する権利はその目的を達成したものとして消尽し,もはや著作権の効力は,被上告人らにおいて当該ゲームソフトの中古品を公衆に再譲渡する行為には及ばない。所論の点に関する原審の判断は,正当として是認することができ,原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。
なお,上告人らは,頒布の差止めを請求しているが,被上告人らは貸与を行っていると認めるに足りないから,貸与については,理由がないことが明らかである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。」

関連資料リンク

著作権判例データベース

ビデオソフトの中古販売につき頒布権侵害が否定された事例(PDF)
佐藤豊

中古ビデオソフト販売事件
(H14.1.31東京地裁H12(ワ)15070)
SOFTIC
平成14年3月19日
富士通株式会社
金谷 江利子

ときめきメモリアルメモリーカード事件 |2019年11月13日

wikipedia

ときめきメモリアルメモリーカード事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「ときめきメモリアルメモリーカード事件(ときめきメモリアルメモリーカードじけん)とは、テレビゲーム用ソフト『ときめきメモリアル』の改変セーブデータを格納したメモリーカードの販売をめぐって訴訟となった事件。

裁判において、ゲームソフトが映画の著作物に該当するか否かが争点となった。」

最高裁判例

最高裁判例
事件番号 平成11(受)955
事件名 損害賠償等請求事件
裁判年月日 平成13年2月13日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 民集 第55巻1号87頁
原審裁判所名 大阪高等裁判所
原審事件番号 平成9(ネ)3587
原審裁判年月日 平成11年4月27日
判示事項
1 メモリーカードの使用がゲームソフトの著作者の有する同一性保持権を侵害するとされた事例
2 専らゲームソフトの改変のみを目的とするメモリーカードを輸入,販売し,他人の使用を意図して流通に置いた者の不法行為責任
裁判要旨
1 パラメータにより主人公の人物像が表現され,その変化に応じてストーリーが展開されるゲームソフトについて,パラメータを本来ならばあり得ない高数値に置き換えるメモリーカードの使用によって,主人公の人物像が改変され,その結果,上記ゲームソフトのストーリーが本来予定された範囲を超えて展開されるなど判示の事実関係の下においては,当該メモリーカードの使用は,上記ゲームソフトを改変し,その著作者の有する同一性保持権を侵害する。
2 専らゲームソフトの改変のみを目的とするメモリーカードを輸入,販売し,他人の使用を意図して流通に置いた者は,他人の使用により,ゲームソフトの同一性保持権の侵害をじゃっ起したものとして,ゲームソフトの著作者に対し,不法行為に基づく損害賠償責任を負う。
参照法条
著作権法20条,著作権法第7章権利侵害,民法709条,民法719条
全文窶・/a>(PDF)

関連資料

知的所有権判例ニュース
ときめきメモリアル事件上告審判決

発明 Vol.99 2002-2
「平成11年(受)第955号損害賠償等請求事件,判時1740号78頁」
生田哲郎 山崎理恵子

関連資料

【ときめきメモリアル事件】
平成11(受)955
損害賠償等請求事件
IPForce

Winny事件 |2019年11月12日

wikipedia

Winny事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「Winny事件(ウィニーじけん)とは、ファイル共有ソフト「Winny」に絡む著作権法違反(公衆送信権の侵害)を問われ無罪となった事件である。利用者だけではなく、アプリケーションソフトウェア開発者も、逮捕・起訴されたことで、情報産業従事者以外からも注目された裁判となった。」

最高裁判例

最高裁判所判例
事件名 著作権法違反幇助被告事件
事件番号 平成21(あ)1900
2011年(平成23年)12月19日
判例集 刑集 第65巻9号1380頁
裁判要旨
本件上告を棄却する。(金子勇の無罪確定)
適法用途にも著作権侵害用途にも利用できるファイル共有ソフトWinnyをインターネットを通じて不特定多数の者に公開、提供し、正犯者がこれを利用して著作物の公衆送信権を侵害することを幇助したとして、著作権法違反幇助に問われた事案につき、被告人において、
現に行われようとしている具体的な著作権侵害を認識、認容しながらWinnyの公開、提供を行ったものでないことは明らかである上
その公開、提供に当たり、常時利用者に対しWinnyを著作権侵害のために利用することがないよう警告を発していたなどの本件事実関係(判文参照)の下では、例外的とはいえない範囲の者がそれを著作権侵害に利用する蓋然性が高いことを認識、認容していたとまで認めることも困難であり、被告人には著作権法違反罪の幇助犯の故意が欠ける。
第三小法廷
裁判長 岡部喜代子
意見
多数意見 岡部喜代子
那須弘平
田原睦夫
寺田逸郎
意見 あり
反対意見 大谷剛彦
参照法条
刑法62条1項
著作権法(平成16年法律第92号による改正前のもの)23条1項
著作権法(平成16年法律第92号による改正前のもの)119条1号

関連資料リンク

Winny ファイル交換サービスで逮捕者
パテントサロン

最高裁判例


最高裁判例

事件番号 平成21(あ)1900
事件名 著作権法違反幇助被告事件
裁判年月日 平成23年12月19日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 決定
結果 棄却
判例集等巻・号・頁 刑集 第65巻9号1380頁
原審裁判所名 大阪高等裁判所
原審事件番号 平成19(う)461
原審裁判年月日 平成21年10月8日

判示事項窶遠K法用途にも著作権侵害用途にも利用できるファイル共有ソフトWinnyをインターネットを通じて不特定多数の者に公開,提供し,正犯者がこれを利用して著作物の公衆送信権を侵害することを幇助したとして,著作権法違反幇助に問われた事案につき,幇助犯の故意が欠けるとされた事例
裁判要旨窶遠K法用途にも著作権侵害用途にも利用できるファイル共有ソフトWinnyをインターネットを通じて不特定多数の者に公開,提供し,正犯者がこれを利用して著作物の公衆送信権を侵害することを幇助したとして,著作権法違反幇助に問われた事案につき,被告人において,(1)現に行われようとしている具体的な著作権侵害を認識,認容しながらWinnyの公開,提供を行ったものでないことは明らかである上,(2)その公開,提供に当たり,常時利用者に対しWinnyを著作権侵害のために利用することがないよう警告を発していたなどの本件事実関係(判文参照)の下では,例外的とはいえない範囲の者がそれを著作権侵害に利用する蓋然性が高いことを認識,認容していたとまで認めることも困難であり,被告人には著作権法違反罪の幇助犯の故意が欠ける。
(反対意見がある。)
参照法条窶煙Y法62条1項,著作権法(平成16年法律第92号による改正前のもの)23条1項,著作権法(平成16年法律第92号による改正前のもの)119条1号
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2ちゃんねる動物病院事件 |2019年11月09日

東京地裁判決

損害賠償等請求事件
東京地方裁判所平成13年(ワ)第15125号
平成14年6月26日判決

       主   文 

1 被告は,原告Aに対し,200万円及びこれに対する平成13年8月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は,原告Bに対し,200万円及びこれに対する平成13年8月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告は,原告らに対し,「2ちゃんねる」と題するホームページ(アドレスhttp://www.2ch.net)における別紙発言目録1記載の文言(ただし,番号764,872の文言を除く。)及び同目録2記載の文言を削除せよ。
4 被告は,原告らに対し,前項のほか,「2ちゃんねる」と題するホームページ(アドレスhttp://www.2ch.net)における別紙発言目録3記載の文言を削除せよ。
5 原告らのその余の請求を棄却する。
6 訴訟費用は,これを5分し,その1を原告らの,その余を被告の負担とする。
7 この判決は,第1,2項に限り,仮に執行することができる。

下級裁裁判例
事件番号 平成13(ワ)15125
事件名 損害賠償等請求
裁判年月日 平成14年6月26日
裁判所名・部 東京地方裁判所
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関連資料


プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会

一般社団法人テレコムサービス協会


■このページの著者:金原 正道

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